ライチ☆光クラブ

成長を否定した14歳の美しい少年たちの愛憎の物語と、少女と機械(ロボット)の恋を描いたダークファンタジー

古屋兎丸による、カルト的人気を誇るロングセラーコミック「ライチ☆光クラブ」が満を持しての映画化。少年同士の愛など、センセーショナルな話題に富む本作に挑んだのは、新進気鋭の監督・内藤瑛亮。長編一作目となる『先生を流産させる会』(12)では、過激なテーマで世論を騒がせたが、その才気溢れる映像表現が新たな才能として注目される。その後も継続して作品を撮り続ける、いま最も勢いのある若手映画監督のひとりだ。今回、原作の圧倒的世界観を精緻にすくいあげながら、さらにオリジナルを掘り下げるような音と色彩感覚で迫った作品を完成させた。
物語は黒い煙と油にまみれた町・螢光町で、廃工場の秘密基地に集う「光クラブ」を結成した少年たちの、大人になる前の脆く、残酷で多感な思春期を描く。光クラブを率い、大人のいない世界を理想とするカリスマ・ゼラや、謎めいた美少年ジャイボ、ゼラの思想に反発をおぼえていくタミヤなど、14歳を目前にした9人の少年たちによる裏切りと愛憎の物語が耽美に、時にユーモアを交えて展開する。そして物語のキーとなるのは、永遠の美の象徴として囚われる美少女カノンと、少年たちが作り上げた思考する能力を持つ機械ライチ。巨大で恐ろしい見た目と裏腹に、カノンへ優しい愛情を抱く。人間らしくありたい意志と、プログラミングされた宿命の狭間であがく機械ライチの切なさが胸に迫る。